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総括支配人 田邉勉インタビュー


若手作家に新しい挑戦の機会を
現在の課題を教えていただけますか。
私たちは、「古い町並み」息づく歴史と文化、そしてガラス工芸の魅力の両輪で街づくりを行って参りましたが、 どちらかというと「古い町並み」の魅力に引かれてお客さんはお越しになる方が比重が高いようです。そこで黒壁はここ数年、 「ガラスの体験教室」に力を入れて参りました結果、体験教室のお客さんが急増いたしました。今後はこの流れの中で、 お客様とガラス作家の交流が深まる機会をできるだけ多く創出することにより、ガラスを通してお客様に物づくりの楽しさを味わって貰い、 一方で若手作家にお客様の厳しい目線を感じて貰いながら、技術力の向上に努めてもらい、黒壁の、長浜の魅力を高めていきたいですね。

特に、若手作家の育成はとても重要な課題です。最近は、大学の課程でもガラス工芸学科が増えました。 それだけ、ガラス作りを目指す学生さんが増えたのですが、彼らが卒業してからの受け皿が全く足りません。 最近の厳しい経済環境のなかで、若い彼らを受け入れて、事業を成立させることが大変難しいのです。 日常生活に求められるガラス食器は100円ショップで買えます。これらは大きな工場で、 た海外のローコストで製造されるファクトリーメイドの商品まであり、我々の小さい工房で一つ一つハンドメイドで制作するものは、 商品一つ当たりのコストが全く違います。それだけに、それぞれの商品に余程の魅力がなければ、高価な商品をお客様は購入していただけません。

しかし、黒壁はそうした若手の作家に腕を磨いてもらい、魅力ある作品を制作して貰うことが、黒壁の使命であり、黒壁の本質であると確信いたしております。

とはいえ、吹きガラスに使用する炉は一定の期間を除き、ほぼ365日、燃やし続けなければなりません。 そのためには、多大な燃料費が固定費として必要となります。その費用を回収するために、観光地のガラス工房では、 作家がオリジナルガラスを生産する時間を削って、ガラス体験教室に比重を掛けています。 もちろん、体験休室はお客様と作家の接することのできる大切な時間ですが、オリジナルガラスを制作する時間とのバランスがとても重要です。

私たちは、若手作家に、なるべくオリジナルガラスを制作できる時間や、 芸術性の高い作品を制作してコンペへの出展の機会も与えてきました。 その結果、日本全国から作家が黒壁に集まるようになってきました。

まだまだ十分ではありませんが、今後は、制作の時間だけでなく、芸術性の高い海外の技術、 感性を磨いてもらえる機会を作って行きたいと考えております。既に、黒壁の作家で二人は、海外へ派遣して技術を磨いて活躍しています。
作家が身につけた技術を使って、ほかにはない魅力的なガラスを作っていくことが、 黒壁の場所としての魅力、ガラスの魅力を向上させていくことにつながっていくのですね。 ファンドも、その間のお手伝いをしていきたいと思います。最後に、黒壁の今後の目標について教えていただけますか。
大変このファンドに期待いたしております。作家たちも投資していただける方々の熱いご支援を感じて、 制作に熱が入り、魅力ある作品ができると確信いたします。それが、おのずと売上に反映するでしょう。

作家のみならず、若手職員が主体となって新しい黒壁を作っていってもらいたいと考えています。 ガラス作家の技術が向上し、ガラス作家としてひとり立ちできるようになれば、 そこにお客様との交流が生まれ、結果的にお客様に来ていただけると確信しています。 若手社員による新しい企画も楽しみにしています。

小さい街なので、この街を本当に好きなお客様がリピーターとして来ていただけることが続くことが大事だと考えております。 そのためには、長浜には、ものづくりの文化・伝統がありますので、この流れを今後もしっかりと持ち続けていきたいと思います。 また、長浜には古い町並みが残っていて、これを保存したいという町衆の思いがありますので、 その気持ちを受け止めていただいた応援団の方に、黒壁ガラスという若い芽に、 水や養分を与えていただくことで、新しい街づくりを行っていけると嬉しいですね。